阿吽仁王像
高木本山の外に安置されている、とても大きな金剛力士像です。一体は「あ(阿)」の口をしており、もう一体は「うん(吽)」の口の形をしています。密教では「阿」は始まり「吽」は終わりを表し、二体は物事の始まりと終わりを表します。「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉は、金剛力士像の阿形像と吽形像が起源となっているといわれています。怖い形相で参拝者の中の悪い部分を祓おうと目を光らせており、何か悪いことをしてしまったのか、時折、小さな子どもが親に連れられて目を腫らしながら謝っている光景を見かけます。全ての人間は、悪心だけでできているわけではありません。悪い部分だけに厳しく目を光らせる金剛力士像は、自分自身の至らなかった所を気付かせてくれる大切な仏教の守護神です。